私とコーチングの出会い
沢山のコーチの中から、私のページにお越し頂いて有難うございます。
私とコーチングとの出会いは、外資系コンサルティング会社でマネジャーをしていた、35歳の時のことです。
当時の私は、MBAを取得して帰国し、コンサルティング会社で「成果を出して、もっと出世したい、もっと高い報酬を得たい!」と、上昇志向の塊のような状態でした。
ただ、大きな悩みがありました。
それは、「メンバーとどうしても上手く関係性が創れない」という、マネジャーとしては致命的な問題でした。
しかも私は、「組織・人事マネジメント専門」のコンサルタントなのに・・・
私の目から見ると、メンバーが創るアウトプットは、「とてもお客様に出せない」と感じるものでした。
その都度、イライラしながら真っ赤にコメントを入れて、直させる日々。
スキルだけでなく、「コンサルタントとして本気を出してない!」「もっと真剣に仕事しろよ」と、メンバーの姿勢にもイライラが募っていました・・・
「嫌われたくない」ので、ストレートに言葉にこそ出しませんでしたが、私のイラつきは、確実に伝わっていました。
マネジャーになって最初の上司との評価面談で言われた言葉は、15年経った今でも忘れません。
「”あきつさんのマネジメントは息が詰まる”って、メンバーがみんな言ってるよ」
こんなに一生懸命、指導しているつもりなのに・・・
頭を殴られたようなショックでした。
そんな風に思われているメンバーに、とても本音で話そうとは思えません。
そして、これ以上、自分の評価が下がるのは嫌なので、社内の上司には誰にも相談したくありませんでした。
ふと、前職のコンサルティング会社の同僚が、コーチとなって独立したことを思い出しました。
「コーチング」というのがどういうものかもよく分かりませんでしたが、「彼なら自分の仕事のこともよく知っているし、何か助けてくれるのでは・・・」と、藁をもすがる思いで連絡しました。
最初の数回のセッションは、正直に言えば、「愚痴と毒吐き」に終始しました・・・
「あいつら、スキルも低いくせに、偉そうなことを言いやがって!」
「俺の出世を邪魔しやがって!」・・・・
ドロドロと溜まった毒を吐き切ると、コーチからの「問い」が、落ち着いてスッと心に入ってくるようになりました。
6回のセッションが終わったとき、単に「メンバーとの関係性を良くする」ということに留まらず、自分のこれからの人生を根っこから変える、2つの気付きがありました。
■自分はこれまで、「怖れ」をエンジンにして生きてきたんだ・・・
■本当は、自分はマネジメントなんてやりたくない。
自分はピン芸人として、職人として生きていきたいんだ。
全く意識していませんでしたが、私の心の奥は、「自分なんて価値が無い」「お客様、上司、メンバーから、自分の存在価値なんて認められてないんじゃないか」「いつ”お前なんていらない”って言われるか分からない」という恐怖に満ちていました。
そんな私にとって、メンバーが成長してしまうことは、「ライバルが増えて、自分の価値がますます危うくなる」ことでした。
「メンバーが成長しないこと」に常にイライラしていましたが、その成長を願わずに止めていたのは、他ならぬ私だったことに気付きました。
そして、「あきつさんは、本当はどう生きたいんですか」というコーチからの問いへの答えは、「自分はマネジメントなんてやりたくない。コンサルティングという仕事は大好きだけど、会社のルールにも人事評価にも縛られたくない!本当はプロフェッショナルとして、職人として、自分で全部決めて、何ものからも自由にやりたいんだ!」という心の声でした。
「気付く」だけで、人生は大きく変わりました。
なぜか肩の力が抜け、無理せずとも手放すこと、メンバーに任せることができるようになりました。
メンバーに重要なプレゼンやファシリテーションを任せ、お客様からの拍手に、「嫉妬するかな?」と思ったら、心の底から喜んでいる、メンバーを誇りに思っている自分を発見して、我ながら驚きました。
「あきつさん、あの頃ヤバかったですね」「変わりましたね」
そんな言葉をメンバーからもらえる関係になり、1年後、予想もしなかったシニア・マネジャーへの昇格がありました。
それから4年、
「独立なんて出来るわけない」
「食えなかったらどうしよう」
「家族を路頭に迷わせたら取り返しがつかない・・・」
「ダメだったら、もうこの年で就職きついよな・・・」
そんな葛藤をし尽くした上で、自分の心の声に従って、組織・人事コンサルタントとして独立しました。
2013年のことです。